北海道・06夏


『アクシデント』

 

8月15日(日) 
 
目をつぶって二時間後、強い日差しにこれ以上眠っていられない。二度寝しようものなら真黒に日焼けするぐらい強
い日差しだ。ぼちぼち朝の散歩をしながら改めて風車の多さに圧倒される。360度見渡す限り風車が立っている。海
から来る風を受けて気持ちよく回っている。
 
 
散歩を終えて戻ってくると唯一の利用者がテントから出てこられた。帯広ナンバーのKAWASAKIに乗るお姉さんだっ
た。週末を利用して帯広から来られたそうだ。海が見えてお気に入りのキャンプ場でいつも利用するらしい。普段は
もっと風車の音がうるさくて眠っていられないらしいが、昨夜は穏やかな風で静かなであった。もう少し北に上がれた
近くに温泉のあるキャンプ場がありそちらに人が集中するそうだ。
 
 
しばし北海道の情報を聞き予定していなかった宗谷を目指すことにする。天売国道とサロベツ原野が最も好きな道だ
と聞いたからだ。そうと決まればすばやく荷物をまとめてCLにまたがった。日差しは強いが走出せば風が気持ち
よい。朝の道は空いていてぐいぐい進んでいく。夜走っていて見かけなかったライダーも多く見かける。みんな気持ち
よく手を振ってすれ違う。北海道ならではの習慣だ。
 
 
走っていると遠くに一列に並んだ風車が飛び込んできた。周りにさえぎるものがないからよく目立つ。道からそれて真
下に行くとその大きさに圧倒される。何もない草原に出現する風車は異様な光景に映った。
 
 
この辺りから電柱も電線もない真直ぐな道が続く。左手に海、右手に草原が広がっている。日陰もなく炎天下の中で
朝食をとった。走りすぎていくバイク、自転車が手を振ってくれる。夏の北海道は日本とは違う文化と時間が流れてい
るような錯覚を覚える。
 
時刻が1時を回ったのでもと来た道を引き返し南下する。夜に積丹半島の入口余市で合流する予定だからだ。朝より
も車もバイクも増えてきた。遅いトラックが先頭を走っていると小さい渋滞が生じてしまう。朝が快適だっただけに流れ
が鈍ると少しのことでも気になってしまう。
 
 
途中、丘の上にきれいな入道雲が出ていたのでわき道にそれた。
 
 
あまりの天気のよさに持ってきたフィルムの半分ほどを初日で使ってしまう。雨男のこんなよい天気の日はなにか悪
いことが起きる。過去、浮かれた日にパンクしたり、次の日に台風が来たりしたことをこの時はまだ考えもしなかった。
 
道を走っていていくら丼・うに丼の旗があちこちで目に入ってくる。気にしていなかった空腹に気づき、休憩をかねて留
萌の手前の店に入った。久しぶりに炎天下を走ったので疲労感をじわじわ感じていた。いくら丼を注文し食べていると
外に停めてあるバイクがたおれているよ、と店に知らせてくれたライダーがいた。外にバイクを停めていたのはCL1台
だけだったので、箸をおいて店の外に飛び出してみるとCLのお腹が見事に見えていた。呼びに来てくれたライダーに
手伝ってもらってCLを起こしてみると、サイドスタンドを立てていたアスファルトが見事にめり込んでへこんでいる。暑
さでアスファルトが緩んでしまったのだろう。荷物を満載にしていたためか、クッションになりどこにも損傷がなかった
が、クラッチレバーが残念な方向へ曲がってしまっている。操作できないほどでもないのでそのまま運転したが、一日
で手のひらの筋肉がつりそうになった。
 
この辺りで先に北海道に来ている友人@に、
「今どの辺り?」とメールを投げてみると
「今、白糖。事故ってフロントフォークが曲がってしまった・・・車の持ち主は刺青入っている。。。」(大体こんな内容)
という、思いもよらない返事が返ってきた。とりあえず連絡を取り、どこからどう突っ込んでいいのか分からなかった
が、とりあえず体は無事とのこと。さらに修理をしてくれそうなバイク屋に向かっているという。一安心をしたのもつかの
間、どう考えても今日の集合は無理になった。もう一人kはまだ船の上、8時までは連絡をつけようもない。さて、どうし
ようか。
 
小平町のコンビニの駐車場でへたり込んでいると、道の向かい側の温泉施設が目に飛び込んできた。気づいたら風
呂に入っていた。日焼けした肌がひりひりする。風呂から上がり、行き先を考える。このまま当初の集合場所に行って
も3人で集合することは難しい。それなら、事故したバイクを修理している帯広へ向かうのがベストだろう。船の上の友
人kにはメールを入れて、出発した。
 
 
昨夜走った時には気づかなかった北海道らしい風景画広がっていた。あの入道雲はきっと夕立を降らすだろう。
 
 
途中、北竜町のフラワーバークに立ち寄る。昨夜、夜のヒマワリを撮った場所だ。雲行きがどんどん怪しくなってきた。
今日の行き場所も寝床もまだ定まっていない。次の日に帯広にたどり着けばよいので、それほど急がなくてもいいだ
ろう。R12で旭川に向かう道中、北海道で始めて大きな渋滞にはまった。主要国道なのだろう。旭川市街地に来たころ
にはすっかり暗くなってしまった。早朝の美瑛の丘をイメージしていたので、とりあえず美瑛まで行ってみることにし
た。美瑛に向かう丘を越える辺りでぽつりぽつり雨が落ちてきた。
 
いざ美瑛にたどり着いたもののすっかり日は落ち、寝床を探すのに苦労する。実際、美瑛近辺にキャンプ場は見つか
らなかった。少し旭川方面に戻り、西神楽公園キャンプ場に行く。国道沿いにある無料のキャンプ場そこそこ賑わって
いた。公園内に設置してあるベンチとテーブルの近くにテントを張り、バーナーで湯を沸かせてコーヒーを用意する。そ
の間、雨の上がった空にカメラを向けた。今夜は北の空だ。
 
 
ちょうどこの頃、フェリーで北海道に到着した友人kから連絡が入り、翌日適当な場所で合流することを約束した。
今日はたくさん写真を撮った。

 


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