北海道・06夏


『再会』

 

8月16日(月) 
 
夜、眠りについた時に子供に懐中電灯でテントの中を照らされて目が覚めたことに殺意を覚えたこと以外は快適に
睡眠をとり、気持ちよく目覚めた。当たり前だが、外で寝たから宿泊費は0円。
 
テントやシュラフをたたむ、顔を洗って歯を磨く、荷物をバイクにくくりつける、ふーっと一服。朝、起きてから出発する
までに短くても30分はかかってしまう。朝一番に向かう先は美瑛の丘であることをKに伝えて出発した。
 
出発してまもなく信号待ちで、後ろから小型バイクベンリーにおかまを掘られた。
 
のは数年前。
 
ボックスに貼ってある奈良公園限定鹿標識シールと奈良ナンバーで自分だと認識されたようだ。二人で美瑛のコンビ
ニで朝食を購入して丘の上を目指す。
 
ケンとメリーの木がある駐車場で朝食をとる。北の国からのメロディーがオートリバースで 流れている。まだ朝という
こともあり、あまり人も多くない。Kはベンリーにも朝食のオイルを注いでいた。4ストエンジンなのになんだか間違って
いるような気がするが、気にせずカメラのファインダーをのぞく。
 
通称パッチワークの丘と呼ばれる美瑛、丘にある畑がパッチワークのように見える(航空写真に切り替えてどうぞ)
 
丘を縫って走っている道を越え、途中道に迷いながらもセブンスターの木にたどり着いた。愛咽しているセブンスター
と記念撮影後、今日のルートを確認した。目的地は@の待つ帯広。食いしん坊キャラのKが食べたいという牛トロ丼
と、半分に切った夕張メロンの上にソフトクリームが乗ったデザートを食べるために富良野に向かう。
 
 
道中、丘一面に花が植えられていた場所に立ち寄る。ラベンダーはすでに時期をはずしてたが、鮮やかな花が一面に
咲いていた。 日が昇るにつれて気温が上昇し、暑くなってきた。

 
 
二人とも北の国からファンでないので富良野観光はパスして、駅前にある牛トロ丼をいただく。なんともいえない生肉
が口の中で融けていく・・・あぁ。開店直後だったのですんなり席を取れたが、店を出るときには待ち客が大勢並んでい
た。商店街にある二件の写真屋に行ってブローニーフィルムを買い占めた。
 
少し来た道を戻り、温泉で休憩。夏の汗を落とした。温泉上がりにデザートタイム。温泉の隣の「サンタのひげ」で夕張
メロン1/4カットの上にソフトクリームがのったのを注文。Kは1/2カットを注文していた。実家にメロンでも送ろうか
と物色したが値段に驚き撤退。親はたぶん海産物のほうが喜んでくれるだろう。
 
結構いい時間(午後二時過ぎ)になっていたので、後は帯広をひたすら目指す。久々に峠を越えて、十勝平野に出
た。合流場所を十勝牧場展望台とメールを送っておいた。
 
日が傾き始めたころ、十勝牧場展望台の入り口にたどり着いた。
 
 
この入り口から展望台まで数キロのダート砂利道が
続く。砂埃を上げながら前に進み展望台にたどり着いた。先客が2名おり、一人がしきりにカメラを向けてくる。@だ。カ
ブもフロント周りを交換して無事復活していた。こんな場所で3人で集合するなんてなんとも言えぬ変な感じだ。もう一
人いた人は大阪出身のライダーで、集合した三人が全員赤い服を着ていたのでなんか変な集団かと思ったと言ってし
ばらく談笑して去っていった。
 
 
太陽が沈むまであれやこれや、これまでの旅について話す。暗くなってきたので、夕飯や寝る場所について話合う。と
りあえず、寝る場所。キャンプ禁止とも書いていないので、ここでテントを張ることにした。芝生の感じがいい。でも夜に
は明かり一つない闇に包まれそうだ。
 
三つテントを張った後、帯広市街地まで夕飯を食べに行くことにする。帯広といえば、豚丼やジンギスカンの有名店が
多い。ツーリングGOGOに載っていたジンギスカン「有楽町」に行くことにする。が、ここに行くまでかなり道に迷い行っ
たり来たり、ようやくたどり着いたら今度は満席で待ちの状態・・・。
 
ようやく席に着け羊肉を食べる食べる。ビールを飲めないのが拷問のようだ。一人のときはあまり食にはこだわらな
い。お腹が空いたら食べる。ずぼらな性格なので、一日一食で済ませることもある。ツーリングから帰ってくると大体3
〜4キロは痩せている・・・。  
 
店内のテレビで明日から天気が下り坂になることを知る。
 
たらふく食べて一人1500円ほど。久々に焼肉を食べて大満足。時間も9時を過ぎており、これから入れる温泉を探し
た。日帰り温泉を探すのに9時はかなり微妙な時間帯。国道沿いに発見した温泉ホテルを覗いてみた。夜十時まで
OKとのこと。上に宿泊施設があるがどうみても町の銭湯のようなつくり。湯の温度も異常に熱かった。温泉から上がっ
てからも汗がだらだらと止まらなかった。違う意味で汗を流しにきたようなものだ・・・。
 
展望台への帰り道、しとしと雨が降ってきた。途中のコンビニでアルコールと食糧を買い込み家路を急ぐ。バイクのヘ
ッドライトだけをたよりにダート道を抜けて展望台へ。エンジンを切った途端に闇に包まれた。月も分厚い雲に隠れてし
まい本当の闇が広がっていた。都会の空の明るさが嘘のように感じられる。目がなかなか慣れない。
 
霧雨のような雨を浴びながら、ランタンの明かりだけで宴をひらいた。雰囲気は怪談話をしているみたいだ。会話が途
切れると耳がキーンと鳴るような静寂が流れる。明るい夜といつでもテレビなどの音のでるものに囲まれて育った現代
人にとって闇と無音は恐怖を感じる。
 
話はこれまでの旅について盛り上がる。一番きつかったのは@と週末に行ったしまなみ海道四国うどんツーリングだ
った。たしか二日目に尾道を出発してしまなみ海道を渡って四国に上陸し、愛媛から香川へうどんを食べに行き、香川
から岡山にフェリーで渡り、夜通し走り奈良に帰ってきたやつだ。家に着いたときにはすでに朝になっていた。ほぼ24
時間カブに乗っていたことになる。たしかあの時はまだ50cc。一番走り回る時間があったときだ。
 
そして、Kはバイクでロングツーリングに行くなんて考えもしなかった、変なカブ乗りのせいだと責めてくる。確かに、バ
イク、特に原付といわれるバイクに乗る人にとって、バイクは普段の足、ちょっとそこまで行くものなんだろう。また、バ
イクに速さを求めて峠のコーナリングを攻めたり、あれやこれやカスタムしファッションの一部としてバイクに乗る人も
いるだろう。
ただ、自分は遠くに自由に行きたかった。でもお金がなかった。自転車や徒歩で旅するほど体力に自信がなかった。
で、出会ったのがスーパーカブであった。もちろんお金に余裕あり、時間に制約がある今では遠くに行くなら高速道路
も使うし飛行機にも乗る。さらに世界はひろく、世界中をバイクで旅をする多くの人のHPを目にすると感心する。
 
時間は深夜1時、宴をお開きにしてテントにもぐりこんだ。
 
降っているのか、降っていないのか分からないような雨がまだ続いていた。
 
  
 
  

  

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