北海道・06夏


『ツーリング・ブルー』

 

8月20日(金) 
 
夜中、一度も目が覚めることなく快適に目覚めた。
テントでは早朝、太陽の眩しさと朝の気配で目が覚めて、二度寝することが多い。
 
食堂に行くと昨夜一緒になったライダー達はすでに席に着いていた。テレビの天気予報は相変わらずの悪天候を報じ
ている。夏には珍しく数年ぶりの大雨みたいだ。川が大変なことになっている・・・。
 
急ぐ必要もないので、NHKの朝ドラを見てから、荷物をまとめ民宿のかたに挨拶をした。雨の中、ただでさえ霧の多い
納沙布岬や霧多布岬に行く気力がなかったので、釧路を目指しバイクを走らせた。
 
雨がそう思わせるのか、なにもない南の海沿いの道がそう思わせるのか、北海道もそろそろ飽きてきた。しかも今日は
風も強いので走りにくい。昨日の午後から全く写真も撮っていない。特に目的地もない、そんなツーリング・ブルーな一
日になりそうだ。
 
夏だというのにどんどん体が冷えてきたので、道の駅「厚岸グルメパーク」に立ち寄った。そこで民宿で一緒になった
ライダーと再会し、挨拶を交わす。これから阿寒湖方面へ抜けていく予定とのこと。そういえば、バイクで阿寒湖へは
行ったことがない。すこし興味をそそられたが、本来のルートからそれてしまうので今回はパスすることにした(雨だ
)。
 
雨のせいか、この辺りではあまりライダーに遭遇せずピースする機会も少ないので、道の駅に来るライダーにやたら
と雨やですねと声をかけていった。ツーリング・ブルーだから仕方がない。ひとり大阪から来ていた女性ライダーは髪
まで濡れ、ずっとせきをしていた。旅先での風邪をひくのは実に切ない。昨日ついたばかりで後10日ほど滞在するら
しいので、きっと自分が北海道から出れば快晴が続くはずですと言っておいた。
 
体も温まってきたので、売店で記念切手を購入し出発した。釧路和商市場に到着したが、合羽を脱ぐのがめんどくさ
かったのでそのままスルーし釧路湿原へ向かった。有料の展望台には入らずに、遊歩道をぐるっと一周した。雨のせ
いか、@が見たというものすごい数の蝶の群れを見ることはできなかった。それでも雨降りの写真を撮っていると気分
が高揚してきた。野鳥の楽しみ方を知らないので、北海道の魅力的な一面を堪能しきれていないのかもしれない。
 
 
阿寒湖へ続くまりも国道を少し北上し、温泉を併設する休憩施設で昼ごはんを食べた。馬の肉を使ったハンバーグ。
もう少し馬らしい癖が欲しかったけど、食べやすかったからよしとしよう。
 
昼食後、南下し、ナウマン国道と命名されたR336をはしり広尾方面を目指した。周りを森に囲まれた中を道が走って
いる。そんな本当に何もない静かな道だった。すれ違う車もほぼゼロに近かった。静かに辺りが暗くなり始めた。今日
ももちろん外で寝る気力なんてこれっぽっちもない。北海道最後の夜もどこかに泊まろうと地図を広げ、広尾の手前
大樹町という場所に晩成温泉というのが目に付いた。宿泊施設もあるらしい。すぐに電話し空き部屋を確認し宿を取っ
た。
 
ヘろへろになりながら、到着したころには真っ暗になっていた。バイクから降りてみると、バイクの下に鳥の死骸が落ち
ていた。そういえば、ここにくる途中何かが飛び出してきてバイクに当たった気がした。きっとこの鳥なんだろう。すま
ん、と心の中でつぶやき道の脇の木下に埋めてあげた。
 
ここの温泉は珍しいヨード温泉というもので、ヨードチンキ(赤チン)の色をしている。ものすごく体によさそうな感じだ。宿
泊施設は温泉のある建物の向かい側にある研修センターのような建物で、普通の和室8畳ほどの部屋。コインランド
リーがあったのでこれまでの衣類を洗濯した。今日の強風の中の雨でメットの中まで濡れていたり、ゴアテックのアウ
ターのポケットの中がプール状態になっていたりと散々な濡れ具合。明日までに乾いてくれるだろうか・・・。
 
夕食は温泉施設内の食堂でこれといって特徴のないものだった。昨夜の夕食のインパクトが大きすぎた。夕食後、と
なりにあるキャンプ場に結構テントが張られているのを発見した。かなりのつわものだ。
 
ツーリングの神様、銀マット、テント、寝袋を積んでいるのに雨が降っているだけで宿に泊まる弱い自分を許してくださ
い。
 
と、懺悔しつつ今日も布団で眠った。
 
大樹町晩成温泉
  

  

Top    Next